投稿日:2025.11.11 最終更新日:2025.11.11
更年期で痩せる人と太る人の違いは?原因と対処法を解説
「最近、急に太りやすくなった気がする」「食事量は変わらないのに痩せてきた」など、更年期に受ける影響は人それぞれあります。
更年期はホルモンバランスが大きく変化し、体調や体型にさまざまな変化が起こりやすくなります。中には太りやすくなる人もいれば、逆に食欲が落ちて痩せてしまう人もいます。
この記事では、更年期に痩せる人と太る人の違いや、それぞれの原因、そして体調を整えるための対処法についてわかりやすく解説していきます。自分の体の変化を正しく理解し、健康的に過ごすためのヒントを見つけていきましょう。
目次
そもそも更年期とは?
更年期とは、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少し、心身にさまざまな変化が現れる時期のことを指します。一般的には、閉経をはさんだ約10年間(40代後半〜50代半ば)が更年期とされており、この時期は個人差が大きいのが特徴です。
エストロゲンは、女性の健康や美容を支える重要なホルモンで、自律神経や代謝、骨の健康などにも深く関わっています。そのため、ホルモンバランスの乱れにより、ほてり・イライラ・疲れやすさ・不眠・体重の増減など、さまざまな症状が現れることがあります。
更年期は誰にでも訪れる自然なライフステージですが、不調の出方や程度には個人差があるため、自分の体調と向き合いながら上手に付き合っていくことが大切です。
一般的には更年期で太る人が多い
更年期は、心と体にさまざまな変化が現れやすい時期です。主な症状としては、のぼせやほてり、発汗、動悸、頭痛、気分の浮き沈み、眠りの浅さなどがあり、人によって現れ方は異なります。中には、疲れが取れにくくなったり、なんとなくやる気が出なかったりと、はっきりとした不調がなくても違和感を覚える人もいます。
このような変化とともに、体型や体重の変化を感じる方も多く、「太りやすくなった」と感じる人が増える傾向があります。年齢とともに起こる自然な変化のひとつとして受けとめ、無理をせず自分のペースで対処していくことが大切です。
更年期に痩せる人もいる
更年期といえば「太る」というイメージが強いかもしれませんが、実は「痩せてしまう」と悩む人もいます。特に、食欲が低下したり、体調不良が続いたりすることで、自然と体重が落ちてしまうケースも見られます。
痩せる=良いこととは限らず、必要な栄養や筋肉まで落ちてしまうと、体力の低下や免疫力の低下につながるおそれもあるため、注意が必要です。気づかないうちに体重が減っていたという人は、体調の変化に気を配り、必要であれば医師に相談することも大切です。
更年期に痩せる人の原因

更年期に体重が減ってしまう背景には、単なる食事量の変化だけでなく、体の内側で起きているさまざまな変化が関係しています。ホルモンバランスの乱れは、自律神経や消化機能にも影響を与え、知らないうちに食欲が低下したり、栄養の吸収がうまくいかなくなったりすることがあります。
ここでは、更年期に痩せてしまう主な原因について詳しく見ていきましょう。
自律神経の乱れ
更年期には女性ホルモンの急激な減少により、自律神経のバランスが乱れやすくなります。自律神経は、体温調節や内臓の働き、睡眠や食欲のコントロールなど、私たちの体のさまざまな機能を無意識に調整しています。このバランスが崩れることで、精神的な不安感やイライラ、不眠、食欲不振といった症状が現れやすくなります。
特に、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなると、リラックスできずに緊張状態が続いたり、食欲がわかなくなったりすることがあります。その結果、食事量が減って体重が落ちてしまうケースが少なくありません。
こうした状態が続くと、エネルギーや栄養が不足し、筋肉量まで落ちてしまうこともあるため、体重の減少が気になる場合は、体調全体を見直すことが大切です。
消化器官が影響を受ける
更年期にはホルモンバランスの乱れが自律神経にも影響を与え、その結果、消化器官の働きが低下することがあります。具体的には、胃もたれや食欲不振、便秘や下痢などの症状が現れやすくなり、食事をとること自体が億劫に感じることもあります。
また、胃腸の動きが鈍くなることで、少しの量でも満腹感を感じやすくなり、自然と食べる量が減ってしまう場合もあります。さらに、消化や吸収の効率が落ちることで、栄養が十分に体に行き渡らず、体重や筋肉量の減少につながることもあるのです。
更年期に痩せてしまう人の対処法
更年期による体重減少は、放っておくと体力の低下や不調につながることもあります。無理なく健康的な体を保つためには、日常生活の中でできる対策を取り入れていくことが大切です。
食生活を変える
更年期に痩せてしまう場合、まず見直したいのが食生活です。単に「たくさん食べる」ということではなく、体調を整えながら、しっかりとエネルギーと栄養を補える食事を意識することが重要です。一度にたくさん食べられない場合は、1日3回の食事にこだわらず、少量を4〜5回に分けて摂る「分食」スタイルも効果的です。これにより、胃腸への負担を軽減しながら、無理なくエネルギーを補給できます。
ポイントのひとつは、バランスの取れた栄養摂取です。特にたんぱく質は、筋肉や血液、ホルモンの材料となるため、意識して取りたい栄養素です。肉・魚・卵・大豆製品などを毎食取り入れることで、筋肉量の維持や回復力のサポートにもつながります。また、エネルギー源となる炭水化物や、ビタミン・ミネラル・食物繊維もバランスよく摂ることが大切です。
無理にたくさん食べようとするのではなく、自分の体と相談しながら「何を、どのように、いつ食べるか」を丁寧に見直すことが、更年期の体重減少を防ぐ第一歩になります。
運動習慣をつける
更年期に痩せてしまう人にとって、運動は「健康を維持するための手段」として非常に重要です。筋肉量の減少を防ぎ、基礎体力を保つことで、体重の過度な減少や不調を防ぐことができます。
特におすすめなのが、無理のない強度で続けられる運動です。ウォーキングや軽めの筋トレ、ヨガやピラティスなど、体に負担をかけずに筋肉を刺激できる運動を選ぶと良いでしょう。これにより、筋肉量を維持しやすくなり、体重が落ちすぎるのを防ぐことができます。
また、運動には食欲を安定させる効果もあります。適度な運動を取り入れることで、自律神経のバランスが整い、胃腸の働きが活発になることから、自然と食欲が戻ってくる人も少なくありません。さらには、心身のリフレッシュやストレス解消にもつながり、気分の落ち込みや不安感が軽減されるというメリットもあります。
更年期に太る人の原因

更年期に体重が増える原因は一つではなく、複数の要素が複雑に絡み合っています。女性ホルモンの減少による体の変化はもちろん、筋肉量の減少による基礎代謝の低下、さらにはストレスやイライラが引き起こす過食傾向なども大きく影響しています。
ここでは、特に重要な3つのポイント「女性ホルモンの減少」「筋肉量・基礎代謝の低下」「イライラや脳の影響による過食」について詳しく解説していきます。
女性ホルモンの減少
更年期に最も大きな変化をもたらすのが、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの減少です。エストロゲンは、脂肪の分布や代謝に関わる重要なホルモンで、特に内臓脂肪の蓄積を抑える働きがあります。しかし、更年期になるとこのエストロゲンの分泌量が大幅に減少し、脂肪がつきやすい体質に変わってしまいます。
このホルモンの減少は、特にお腹まわりに脂肪がつきやすくなる「内臓脂肪型肥満」を招き、生活習慣病のリスクも高まるため注意が必要です。また、ホルモンバランスの乱れが自律神経にも影響を及ぼし、代謝の低下や体調不良を引き起こすこともあります。
筋肉量・基礎代謝の低下
加齢とともに筋肉量は自然と減少していきますが、更年期にはホルモンバランスの変化も加わることで、そのスピードがさらに加速します。筋肉は、安静時でもエネルギーを消費してくれる重要な組織で、筋肉量が減ると基礎代謝も低下し、同じ生活をしていても太りやすくなってしまいます。
特に運動習慣がない人は、筋力が衰えることで日常の活動量も減りやすくなり、消費エネルギーが少なくなることで脂肪が蓄積されやすくなります。また、筋肉の低下は体型の崩れにもつながり、見た目の変化に戸惑う方も少なくありません。
イライラや脳の影響での過食
更年期には、ホルモンバランスの乱れによって自律神経や脳の働きにも影響が及び、イライラや不安感、落ち込みなど、心の不調を感じやすくなります。こうした精神的なストレスが引き金となって、「つい甘いものを食べてしまう」「お腹は空いていないのに何か口に入れたくなる」といった“ストレス食い”を招くことがあります。
特にエストロゲンの減少は、脳内のセロトニン(幸福感や安定感に関わる神経伝達物質)の分泌にも影響を与えるとされており、その不足を補うために糖質や脂質を求めやすくなる傾向があります。無意識のうちにお菓子やパンなどの高カロリーなものに手が伸び、気づかないうちに摂取カロリーが増えてしまうのです。
心と体は密接に関わっているため、過食傾向を感じたら食事内容だけでなく、自分の心の状態にも目を向けることも大切です。
更年期太りの解消と予防にできること
更年期太りの原因についてみていきましたが、これらは年齢による自然な変化で、適切な対策を取ることで太りにくい体を保ち、体重の増加を防ぐことは十分に可能です。
ここでは、それぞれの原因にアプローチする形で、日常生活の中で無理なく実践できる解消法と予防策をご紹介します。

食事内容の見直し
更年期太りを防ぐためには、ただ食べる量を減らすのではなく、栄養バランスを整えた質の良い食事を心がけることが重要です。ホルモンバランスや代謝の変化に対応するためには、体に必要な栄養素をしっかりと取り入れながら、脂肪の蓄積を防ぐ工夫が求められます。
まず意識したいのが、たんぱく質をしっかり摂ることです。筋肉量の維持に役立つたんぱく質は、肉や魚、大豆製品、卵などから毎食意識的に取り入れましょう。筋肉が落ちると代謝も低下し、脂肪がつきやすくなるため、更年期以降の食生活では特に重要な栄養素です。
また、血糖値の急上昇を抑える食べ方も太りにくい体づくりに効果的です。白米やパンなどの精製された糖質を控えめにし、食べるとしても空腹時に最初に摂るのは避けましょう。
玄米や雑穀、野菜、海藻、きのこなど食物繊維が豊富な食材を取り入れることで、満腹感を得ながら過剰なエネルギー摂取を防ぐことができます。
食事は体の基盤をつくるもの。量よりも「質」を意識し、自分の体調や気分に合わせた柔軟な食べ方を取り入れることが、更年期太りの予防・解消につながります。
適度な運動習慣をつける
筋肉量の維持と基礎代謝の低下を抑えることは、年齢とともに太りやすくなる体にとって非常に重要なポイントです。
おすすめなのは、筋トレと有酸素運動をバランスよく取り入れることです。筋トレではスクワットや腹筋など、簡単なトレーニングを週に2〜3回を目安に続けることから始めてみるといいでしょう。
有酸素運動は、ウォーキングや軽いジョギングなど、無理なく続けられるものを、1回20〜30分、週に3回程度から始めてみるのがおすすめです。脂肪燃焼効果に加え、ストレス解消や気分転換にもつながり、自律神経のバランスも整いやすくなります。
さらに、ストレッチやピラティス、ヨガなどの緩やかな運動も取り入れると、体のこわばりがほぐれ、血流が良くなり、冷えやむくみの解消や精神の安定にも効果的です。
ストレスと上手く付き合う
更年期にはホルモンバランスの乱れによって心が不安定になりやすく、ちょっとしたことでもイライラしたり、気分が落ち込んだりすることがあります。こうした精神的ストレスが、過食や睡眠不足、運動不足などの悪循環を招き、結果的に太りやすい体質につながってしまうことも少なくありません。
ストレスを完全になくすことは難しくても、上手に付き合うための工夫を持つことはできます。たとえば、朝日を浴びながらの散歩、ピラティスやヨガ、趣味に没頭するなど、気持ちがリラックスできる時間を意識的に取り入れるだけでも、心の安定につながります。
更年期は心の波が大きくなりやすい時期だからこそ、自分を責めず、リラックスできる時間を持つことが、太りにくい体と健やかな心を保つポイントになります。
良質な睡眠をしっかり取る
更年期になると、寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目が覚めたりと、睡眠の質に悩む方が増えてきます。これは女性ホルモンの減少によって自律神経のバランスが乱れ、体温調節や情緒の安定がうまくいかなくなるためです。
実は、この睡眠不足や睡眠の質の低下も、太りやすさに深く関わっています。睡眠が不足すると、食欲を抑えるホルモン(レプチン)が減少し、逆に食欲を増進させるホルモン(グレリン)が増えるため、無意識のうちに食べすぎてしまいやすくなるのです。
そこで効果的なのが、前述したように日中に適度に体を動かすことです。軽いウォーキングやストレッチ、筋トレなどの運動習慣を取り入れることで、体のリズムが整い、夜には自然な眠気が訪れやすくなります。また、運動によってストレスも発散され、心身がリラックスしやすくなるため、より深く安定した眠りにつながります。
痩せているのと肥満だとどっちがいいの?
更年期になると、体重の増減に敏感になりがちですが、「痩せていれば安心」「少しくらい太っていても平気」といった一面的な考え方は危険です。痩せすぎにも肥満にも、それぞれに健康リスクがあり、どちらか一方が良いとは言い切れません。
大切なのは、体重だけにとらわれず、筋肉量や体脂肪率、体力などを含めた“健康的なバランス”を意識することです。
痩せすぎによるリスク
更年期に「太りたくない」という気持ちから、極端に食事を減らしたり、急激に体重を落としたりする人もいますが、痩せすぎは健康を損なうリスクを伴います。特に筋肉量や骨密度が低下しやすいこの時期には、無理なダイエットが深刻な影響を及ぼすこともあります。
まず懸念されるのが、骨粗しょう症のリスクです。女性ホルモン(エストロゲン)の減少によって骨がもろくなりやすくなる中、体重が少なすぎると骨への刺激も減り、骨密度がさらに低下しやすくなります。転倒による骨折の危険性も高まるため注意が必要です。
さらに、痩せすぎはホルモン分泌や免疫力の低下、月経異常などを引き起こすこともあり、見た目にはスリムでも、内側ではさまざまな不調が進行していることもあります。
更年期には「体重の軽さ」ではなく、筋肉と脂肪のバランスが取れた“中身のある健康体”を目指すことが重要です。食事を抜く、体重だけを基準にする、といった習慣は避け、栄養と休養、そして適度な運動を大切にしましょう。
肥満によるリスク
更年期に差しかかると、これまでと同じ食生活や生活習慣を続けているだけでも、体重が増えやすくなる傾向があります。特に、お腹まわりに脂肪がつく「内臓脂肪型肥満」は、更年期以降の女性に多く見られ、見た目以上に健康リスクが高い状態といえます。
内臓脂肪が増えると、生活習慣病のリスクが急上昇します。代表的なものに、高血圧、糖尿病、脂質異常症などがあり、放置すると心筋梗塞や脳梗塞といった重大な病気につながる可能性もあります。これらは自覚症状が出にくいため、気づかないうちに進行しているケースも少なくありません。
また、肥満は膝や腰への負担を増加させ、関節痛や慢性の体の不調を引き起こすこともあります。加齢とともに筋肉や骨の強度が落ちやすくなる更年期には、体重増加による負荷がより深刻な影響を及ぼすことになります。見た目の変化だけでなく、体の内側で静かに進行する健康リスクに目を向けることが大切です。体重が増えてきた場合には、早めに食事や運動など生活習慣を見直すことで、将来の病気予防につながります。
では実際に、自分にとって健康的な体型とはどのようなものか、ひとつの目安として「BMI(体格指数)」を確認してみましょう。BMIは、身長と体重から算出でき、肥満や痩せすぎの判定に用いられる基準です。
BMIの計算式は以下の通りです
BMI=体重(kg)÷ 身長(m)²
たとえば、身長160cm(1.60m)、体重55kgの方の場合
BMI=55 ÷(1.60 × 1.60)=21.5 となります。
日本肥満学会の基準では、18.5以上25未満が「普通体重」とされており、健康的な体型の目安になります。ただし、BMIだけでは筋肉量や脂肪のつき方までは判断できないため、見た目や体調、体脂肪率、筋肉量のバランスもあわせて見ることが大切です。
「痩せている=健康」ではなく、適度に筋肉があり、無理なく体を動かせる体づくりが、これからの自分にとっての理想的な状態だと言えるでしょう。
【まとめ】更年期で痩せる人と太る人の対策
更年期は、ホルモンバランスや代謝の変化によって、体重が増えやすくなったり、逆に食欲不振で痩せてしまったりと、体型や体調に大きな変化が起こりやすい時期です。しかし、それは決してマイナスなことではなく、体と向き合い、生活習慣を見直す良いきっかけでもあります。
「太りたくないから食べない」「痩せたけど不調が多い」といった極端な対応ではなく、バランスのとれた食事・適度な運動・心のケア・良質な睡眠を日々意識することで、更年期をより健やかに、前向きに過ごすことができます。
その中でも特におすすめなのが、ピラティスやパーソナルトレーニングです。ピラティスは体幹を鍛えながら姿勢や呼吸を整えることで、自律神経やホルモンバランスの安定にもつながります。パーソナルトレーニングでは、自分の体力や悩みに合わせたメニューで、無理なく筋力や代謝を高めることが可能です。
更年期を“ただ耐える時期”ではなく、“より自分らしく過ごすための準備期間”と捉え、自分の体と丁寧に向き合う習慣を始めてみてはいかがでしょうか。
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