ピラティスとヨガの違いを具体的に解説!あなたに向いているエクササイズはどっち?
監修
PHI Pilates Comprehensive Instructor/BESJ Ladder Barrel Instructor/TRX Suspension training Instructor/骨盤底筋専門エクササイズPifilAtes™️/RYT200 Barkan method Yoga I nstructor LevelI,Ⅱ,Ⅲ,修了/アナトミートレイン人体解剖実習(2016.2017)/食育指導士 指導歴17年マシンピラティスインストラクター YUKI
みなさんの目標や、こうありたいという姿、ライフステージに寄り添いながら丁寧にレクチャーさせていただきます。例えば「日常をより快適に機嫌良く」過ごしたい方には、動きに必要な柔軟性と強さをバランス良く育てるサポートを、「更なるパフォーマンスアップを目指す」方には、イメージした通りの動きができる機能的な身体作りを提供いたします。
身体は素直です。動かし方によって良くも悪くも変化します。見た目の姿カタチはもちろん、その動きの質までも変化します。ケガの予防をしながら効率よく安全にトレーニングしていきましょう!
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目次
ピラティスとヨガの違いを具体的に解説!あなたに向いているエクササイズはどっち?
現代のフィットネスブームの中でも、常にピラティスとヨガの人気は高まり続けています。しかし、この二つのエクササイズの違いについて、ちゃんと理解できていない人もいるかもしれません。どちらも身体と心を鍛える効果があり、リラックスや柔軟性の向上を目指しますが、アプローチや目的には微妙な違いがあります。今回は、そんなピラティスとヨガの基本的な違いや、それぞれの特長をご紹介していきますので、自分に最適なエクササイズを見つけるのに役立ててみて下さい。
ピラティスとヨガの成り立ちと目的
ピラティスとヨガは、それぞれ異なる背景と目的を持つエクササイズです。その違いを理解するために、まずそれぞれの歴史と基本的な理念や目的をみていきましょう。
ピラティスの成り立ち
ピラティスは、20世紀初頭にドイツ人のジョセフ・ピラティスによって考案されました。ジョセフは幼少期に喘息やリウマチ熱などの健康問題を抱えており、これを克服するために様々な運動方法を研究しました。ボクシングや体操、ヨガ、武道などから影響を受けて、独自のエクササイズメソッドを開発していきました。
第一次世界大戦中、ピラティス氏はイギリスで捕虜となり、収容所で他の捕虜たちの健康を維持するために彼のメソッドを教え始めました。病床にある負傷兵のリハビリのためにベッドのスプリングを利用した装置を考案し、これが後にピラティス専用の器具の原型となりました。
戦後、ピラティス氏はドイツに戻り、さらにメソッドを発展させました。その後、1926年にアメリカに渡り、ニューヨークにスタジオを開設し、ダンサーやアスリートの間で人気となり、ピラティスメソッドは次第に広まっていきました。ピラティス氏の死後も彼の教えは弟子たちによって受け継がれ、今では世界中で愛されています。
ピラティスの目的はリハビリ
ピラティスの目的は、身体全体のバランスと調和を図りながら、コアの強化と柔軟性の向上を通じて、全体的な健康と体力を向上させることです。ピラティスは、腹筋や背筋、骨盤底筋などを中心としたコアの強化に重点を置き、姿勢の改善を目指します。また、筋肉の柔軟性を高め、関節の可動域を広げることで、動きがスムーズになり、怪我のリスクを減少させます。さらに、呼吸法や集中力を重視することで、精神と身体の調和を図り、ストレスの軽減とリラクゼーションを促進します。ピラティスは、これらの目的を達成するために、全身を使った多様なエクササイズを行います。
ヨガの成り立ち
ヨガの発祥は、少なくとも5000年前頃ではないかとされていますが、実際のところは明らかではありません。歴史的最古の証拠として、紀元前3000年頃に、ヨガのポーズをとる人々の姿が石の表面に彫刻されたものが見つかっています。
ヨガはその後、ウパニシャッドやバガヴァッド・ギーターなどの哲学的な文献でさらに発展し、紀元前500年頃には、パタンジャリによってまとめられた『ヨーガ・スートラ』が登場しました。この文献は、ヨガの実践とその哲学的背景を体系的にまとめたもので、現在でも多くのヨガの流派で教典として使用されています。
20世紀になると、ヨガは西洋にも広まり、スワミ・ヴィヴェーカーナンダやパラマハンサ・ヨガナンダといったヨガの指導者たちがヨガの教えを広めました。
ヨガは健康法や精神修養の一環として認識されるようになり、現代のヨガブームへと繋がりました。現在では、ヨガは世界中で実践され、身体と心の健康を追求するための総合的な方法として広く受け入れられています。
ヨガの目的は精神修行
ヨガの実践の目的は、身体と心の調和を図り、全体的な健康と幸福を追求することです。具体的には、身体の柔軟性と強さを高め、呼吸法を通じてエネルギーの流れを改善し、瞑想によって精神の平静と集中力を養うことにあります。これにより、ストレスの軽減や精神的なバランスの向上、自己認識を深める事を目指していきます。
ピラティスとヨガの共通点は?
歴史や目的からみると、ピラティスはフィジカル面の強化、ヨガはメンタル面へのアプローチと思ってしまいそうですが、それだけではありません。
現代におけるエクササイズは、ピラティスもヨガも目指すところや効果は以下のように共通点も多いのです。
- 身体の歪みを整え、身体の機能を改善する
ピラティスとヨガには共通して、身体の歪みを整え、身体の機能を改善する効果があります。どちらのエクササイズも、正しい姿勢の維持や筋肉のバランスを意識しながら動作を行うことで、骨格や筋肉のアンバランスを修正します。これにより、姿勢が改善され、腰痛や肩こりなどの慢性的な痛みが軽減されます。
- インナーマッスルを鍛え、柔軟性を高める
どちらのエクササイズも、深層部の筋肉をターゲットにした動きを取り入れていて、体幹の安定性やバランスを強化します。これにより、日常生活やスポーツにおける動作がより効果的かつ安全に行えるようになります。また、ストレッチや体位法を通じて筋肉の柔軟性を向上させることで、関節の可動域が広がり、怪我の予防にもつながります。ピラティスとヨガの定期的な実践は、しなやかで強い身体を作り上げ、全体的な身体機能の向上に繋がります。
- 呼吸法を重要視し、心身を整える
どちらのエクササイズも、深くゆっくりとした呼吸を取り入れることで、身体の動きと呼吸を調和させます。これにより、酸素の供給が増え、筋肉の働きが最適化されると同時に、リラックス効果が高まります。呼吸法を通じて心拍数が安定し、ストレスや不安が軽減されるため、精神的な安定も得られます。
- 自律神経を整え、バランスのとれた心身を目指す
どちらのエクササイズも、深い呼吸法と集中力を重視し、副交感神経を活性化させることで、ストレスを軽減し、リラクゼーションを促します。これにより、自律神経のバランスが改善され、心身の調和が図られます。ピラティスは背骨の配列を整えるエクササイズを行うため、体系的にも自律神経を整える効果があり、ヨガは呼吸と動きの一連の流れを通して、交感神経と副交感神経のバランスを整える効果が得られます。
ピラティスとヨガそれぞれの違いは?
共通点も多いピラティスとヨガですが、具体的な違いを見ていきましょう。
エクササイズの違い
ピラティスはテンポよく身体の動きを止めずにエクササイズしていきます。特に、お腹周りのインナーマッスルを意識しながら動き、骨盤や背骨の歪みを調整し、正しい姿勢を保つ為に必要な筋肉を強化していきます。
一方ヨガは、ポーズをとりながらゆったり呼吸を深めていきます。ポーズの間の深呼吸で、力強さやストレッチ効果を高めていきます。呼吸法から始まり、お休みのポーズで終わるという一連の流れの中で、体への意識を高めて最終的にはリラックスへ導いていきます。
マシンピラティス
ピラティスは、マットピラティスの他に、マシンピラティスというジャンルがあります。
マットピラティスは、自分の体重や重力を利用して行う為、ある程度の筋力を必要としますが、マシンピラティスはマシンが正しいフォームに導いてくれるので、初心者や運動が苦手な方でも正確なエクササイズができるのが特徴です。日本ではマットピラティスが主流で認識されてきましたが、前述のように、ピラティスの原型はベッドのスプリングを利用した装置などから始まった、マシンピラティスなのです。
呼吸法の違い
ピラティスでは、鼻から息を吸って口からゆっくりと息を吐く「胸式呼吸」を使います。ピラティスは常に身体を真ん中に置くことを意識し、お腹周りのインナーマッスルを働かせながら呼吸を行います。横隔膜を下げずに肺を広げる胸式呼吸は、交感神経を刺激すると同時にコアを強くする効果があります。
ヨガの呼吸法は様々あり、胸式呼吸や腹式呼吸、更に胸式と腹式を同時に行う「完全呼吸」という方法もあります。ヨガの一連の流れの中で、最後は腹式呼吸を使いお休みのポーズに入っていくのが基本になります。横隔膜を大きく動かす腹式呼吸は、副交感神経を刺激し、リラックス効果を高めていきます。
マットや使う物の違い
ピラティスでは横になって行うエクササイズを多く行うので、背骨を守る為にもクッション性のある厚めのマットを使用します。マジックサークルやバランスクッション、ゴム性のバンドでセラバンドなどのプロップス(補助道具)を使用する事もあります。
ヨガでは、立ってバランスをとったりポーズをキープしたりするので、安定感のある薄めでグリップの強いマットを使用します。ポーズの補助道具として、ブロック、ストラップなどを使用する場合もあります。
ピラティスとヨガの方法と効果
それでは実際に、ピラティスとヨガのエクササイズの内容や効果の違いについて触れていきます。
ピラティスの方法と効果
ピラティスは、主にインナーマッスルを鍛えていくエクササイズで、体幹を強化していきます。背骨や骨盤の歪みを整えていき、それを支える筋力をつけ、正しい姿勢とバランスの取れた身体を目指す事ができます。流れるように動き続けるピラティスは、動きの細部まで意識を向けていくので、脳と末端をつなぐ神経が活性化されます。
身体の細部にまで意識が届く事で、集中力が増し、スポーツのパフォーマンスアップや生活動作の向上、仕事の効率を上げる効果まであると言われているんです。
また、ピラティスで行う胸式呼吸は交感神経を活発化させるので、心身の活性化にも繋がっていきます。
ピラティスで正しい背骨の配列を取り戻すと、脳と脊髄の循環が良くなるので、交感神経・副交感神経がバランスよく働き、自律神経の乱れを改善する効果もあります。
ヨガの方法と効果
ヨガはゆったりと動くリラックス系から、アクティブに動くパワー系まで様々な流派が存在します。しかし目的は一緒で全ては「動く瞑想」です。ゆったりとした動きの中で呼吸を深め、動きの中で内観を深めていきます。身体の声に耳を傾けながら行っていくヨガは、心身の出すサインに敏感になっていき、心と身体のバランスが取れるようになっていきます。ヨガで脳をリラックスさせ、思考がポジティブに変化する事で、健康的なライフスタイルに変化していく事ができるでしょう。
また、ヨガはピラティスと同様、インナーマッスルを使って動いていき、柔軟性も養われます。続ける事で、怪我を予防したり、姿勢の改善、バランスの良い健康的な心身を保てる様になっていきます。
このように、ピラティスもヨガもエクササイズと呼吸法を組み合わせて、心と身体を整えていくメソッドですが、ピラティスはボディーメイクやトレーニング要素が強く、ヨガはエクササイズを通して、精神の安定をより追求していくのが目的です。
ピラティスとヨガのダイエット効果は?
それでは、ダイエットの視点からピラティスとヨガを見ていきます。
まず、ピラティスもヨガも痩せる為に設計されていませんが、継続していくと結果としてダイエット効果が付いてくる可能性は高いでしょう。
ヨガでいうと、身体への意識が高まり、心身の声に敏感になっていく事で、無駄のないバランスの取れた健康的な食事に変化する事でダイエット効果を得ることもできるでしょう。
健康的なダイエットの基本は、燃焼できる身体作りです。代謝を高めるには筋肉量を上げる必要がある為、体幹を鍛えるピラティスは、食事制限などと組み合わせることでダイエット効果も得る事ができるでしょう。
どちらが向いているか、迷ってっている方へ選び方のポイント
それぞれのエクササイズには独自の特長とメリットがあります。ピラティスとヨガのどちらが向いているか迷っている方へ、目的別に選ぶポイントをまとめていきます。
ヨガが向いている人の特徴
運動はしたいけどキツイ運動は自信がない
ヨガは、呼吸法を重視しながらゆったりとした流れの中で行っていきます。ポーズの中である程度の筋力は使いますが、比較的ストレッチをかけて身体をほぐすようなエクササイズです。また、ピラティスは正しいフォームをとる事が目的の効果に繋がるので、フォームの正確性が重要とされますが、ヨガはポーズの完成度を重視するというより、呼吸と動きの流れの中で内観を深める事を大切にしていきます。
したがって、キツイ運動ではなく、緩やかに身体を動かしたい人におすすめです。
リラックスして心身の安定を目指したい
ヨガは深い呼吸法や瞑想を通じて、心を落ち着かせ、ストレスを軽減する効果があります。身体の柔軟性を高めるポーズとともに、内面的な静けさと調和を促進するヨガの実践は、自律神経を整え、全体的なリラクゼーションをもたらし、心身のバランスを取り戻すのに役立ちます。忙しい日々のストレスから解放されて、リラックスできる自分の時間を持ちたいという人にはヨガが適しています。
ピラティスが向いている人の特徴
身体の歪みを整えて不調を根本から改善したい
猫背や反り腰、骨盤の歪みなどが生じている場合、肩こりや腰痛、特定の部位の痛みなどの様々な不調を引き起こします。ピラティスは、特にコアの筋肉を強化し、正しい姿勢を維持することを重視するエクササイズなので、定期的な実践で身体のアンバランスを修正し、腰痛や肩こりなどの慢性的な痛みを軽減します。姿勢を改善し、身体全体の健康を根本から改善したいという人は、ピラティスがおすすめです。
メリハリのある美しいボディーラインを目指したい
ピラティスのエクササイズでは、ウエストの引き締めやヒップのリフトアップ、脚や腕の筋肉の引き締めが期待できます。また、ピラティスの動きは、筋肉をしなやかにしながらも強化するため、ボディーラインに自然なメリハリをもたらすので、スタイルアップを目指す人にとって理想的なエクササイズです。
初心者におすすめなマシンピラティス
ピラティス初心者や運動が苦手な方、リハビリを目的とされる方にはマシンピラティスがおすすめです。様々な専用器具を使用して行うマシンピラティスは、マシンが正しいフォームに導いてくれるので、筋力がない方や疾患がある方でも、安全に正しいエクササイズをする事が可能です。特定の部位を鍛えたい方や初心者の方は、マシンピラティスが断然おすすめです。
マシンピラティスについてもっと詳しくは、こちらの記事も参考にしてみて下さい。
【まとめ】
精神の修行として生まれたヨガと、リハビリとして生まれたピラティスの違いについて触れていきました。ピラティスとヨガは似たようなポーズも多く、大枠の効果も近いところもありますが、目的やエクササイズの方法は大きく違います。
ヨガとピラティス、そして初心者におすすめのマシンピラティス、どれも継続する事が大切なので、自分の目的や体力に合ったものを選んでみましょう。
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